死なない努力
半年ぐらいの付き合いをしている友人がいる
彼は私の持病を知っており良き理解者だ
そんな彼は私にこう言った
「お前が死にたくなった時何があったかは分からないけど死ぬなとは一応止めるがそれから先は自分で決めるといい」
正直驚いた
彼は元々警察官で私みたいなどうしょうのない人間をたくさん見てきたのだろう
「ねぇ、もし私が死んでしまった時どうする?」
「どんな形であろうとも受け入れるよ、人生においてそう自分の意志で選択したのならいいじゃないかと俺は思うよ」
「ありがとう」
ずっと自分は必要な人間なのか
何故生まれてきたのか
とネガティブに考えてきた
そして私はどうしようもない自分にある誓を立てる
『死なない努力をする』
時は進み今年29年を迎える
感想としては自分で自分を少しずつだが救えている気がする
自分を大事に出来ているだろうか
10代の時に自分を放り投げた傷跡は今の私に何を思うのか、遠くで、遠くで、遠くで
薄暗いトンネルの中彼に問う
「お葬式は何を持って来てくれるの?」
「葬式になんか行かないよ、基本的に身内以外行かない、あまり意味を感じない」
私は鼻で微笑んだ。
未来の事は分からない
今後、誓を破り、死を選んだ時彼にだけには怒られなさそうだ
唯一受け入れてもらえそうな気がする
夕暮れの別れ道彼は何気なく言う
「またな」
「うん、いつもありがとう」
辺りは冷たい風が吹き頬を打ち痛くて震える
明日は何が待っているのだろう