NUiMEnoKozue’s blog

死なないように生きていくのでよろしくお願いします

消えない想いと一緒に私このまま、ごめんね

つらい別れをした

もう私の冷たい手をつなぎ合わせることも二度とない

愛してるの言葉もくれない

 

赤いオープンカーはいつも目立っていた

かなりの愛車なようだ

私と会う前日にいつも洗車してるようだった

低い車体から降りて「おはよう」の一言でドキドキものだ

運転中の彼の手を見るととても綺麗だった

「手とてもきれいだね」

「よく言われる」

男の人にしてはとても綺麗な手をしていた

そんな綺麗な手は車に乗るといつも忙しい

マニアル車だったから左手がギアチェンジでがちゃがちゃ

私が「運転中手繋げないね」って言うと

左手で手を繋いで右手でハンドルとギアチェンジをしてたものだ

真夏のある日オープンにして車を走らせた

照りつける太陽と熱風でジリジリ焼ける

車を止まらせオープンを閉じる時手動なことに驚いた

「これ手動なの?」

「手動だよだから将来ポルシェに乗るのが夢なんだ」

車好きだった

 

告白の時もよく覚えてる

山方面に車を走らせ車内がガタガタ揺れてどこに連れて行かれるのかと思った

駐車場に車を止め外に出ると夜景に街灯が少し広がっていた

景色を見ていると彼が後ろからそっと抱きつく

「俺と付き合ってほしい」

彼は真剣だ

とても嬉しいかったけど私の答えはいいえだった

今までの恋愛があまり上手くいくことが少なかった為なかなか踏み出せなかった

だが私達は2人で遊びにいくことをし続け結局付き合うことになる

デートはどこに行っただろうか

どこにでもつれて行ってくれた

町を歩くときもショッピングモールに入る時も手を自然と繋いでいたものだ

お昼はいつも彼がレストランを予約していた

彼は料理人のこともあっていろいろな料理を食べるのが好きだった

ある時

「私と初めて会ったときどうだった?」と彼に聞いたことがある

「次に繋げようと必死だったよ」とその時から私のことが好きだったことを知った

デートの最後はいつもセックス

行為の後に彼が

「別にただ性欲を満たす為にセックスをしてるわけじゃない。愛情表現の一貫としているよ」

その言葉だけで心が満たされた

体を重ね合う意味が持てた

心の底から愛されてるんだなという実感出来た

女性経験が少なく不器用なキスぎこちない体の重なり

しかしそれも許せていとおしく感じるようになった

これが愛なのだろうか

 

そんな私達も別れることになった

別れは私から告げた

私達はよく似ていた

自分の孤独を埋める為に相手に依存していた

だから自分自身の為に何も出来ない弱い人間なのだ

愛してるこそ離れなくてはいけないと思った

お互いの為だった

愛がこんなに難しくて苦しいなんて思わなかった

暗い街灯の光がはしる車で流れてた曲を今でも覚えてる
とてもあなたのことが好きだった

色褪せない愛なんてあるのだろうか

時がたてば忘れるのだろうか

だけど今は寂しい苦しいつらい